依頼された機能を完成させても、顧客の問題や事業の条件が変われば、投資の効果は得られないことがあります。
プロダクトマネジメント(Product management)は、顧客価値と事業上の目的を結びつけ、プロダクトの方向、取り組む問題、優先順位、結果を継続して判断する活動です。
一度の開発案件を完了するだけでは終わりません。

機能より先に問題を選ぶ

たとえば、法人向けの予約サービスで、通知機能を増やしてほしいと依頼されたとします。
まず、誰がどの予約を見落とし、その結果どんな仕事が増えているかを調べます。
原因が通知の不足ではなく、変更された予定を区別できないことなら、別の解決策も比較できます。
依頼の多さだけで順番を決めず、対象顧客と期待する変化を明らかにします。

判断を小さな証拠で更新する

選んだ問題について、必要な価値、使い勝手、実現可能性、事業としての提供条件を検討します。
簡単な試作品で理解を確認し、限定した顧客で利用を試すなど、疑問に合わせて方法を選びます。
予約の例なら、機能の利用率だけでなく、見落としや調整の作業がどう変わったかを確かめます。
新機能の完成と、顧客に必要な変化が起きたことを分けて評価します。

結果によって、取り組む問題や提供方法を変えます。
投資を止める、既存機能を整理する、運用を改善することも選択肢です。
新しい機能を追加し続けるだけでは、利用者の負担や保守の費用が増える可能性があります。
過去の判断と根拠を記録すると、関係者が変更の理由を理解できます。

管理する対象の違い

プロジェクト管理は、特定の目的を持つ期間限定の活動を計画し、実行することに着目します。
プロダクトマネジメントは、その前後を含め、どの顧客へ何を提供し続けるかを扱います。
プロダクトマネージャーが中心になる場合も、調査、設計、技術、販売、運用の協力が必要です。
職種名だけで仕事を一人へ集めず、各判断の責任と、チームが使える情報をそろえます。

参考資料