同じ製品でも、作業者ごとに試験の条件と判定が違えば、不良を見逃したり、良品を落としたりする可能性があります。
製造テスト仕様と手順は、製造した部品や製品に求める性能、合否の基準、測定と操作の方法を定める文書です。
仕様が「何を満たすか」を、手順が「どう確認するか」を説明します。

測定する対象と基準を結ぶ

たとえば、温度センサーの出荷検査を考えます。
指定した温度で、測定値が許容範囲に入ることを仕様に置きます。
手順には、試験品の準備、基準器、温度が安定したと判断する条件、測定位置、記録方法を示します。
許容差だけを書いても、条件が違えば結果を比較できません。
NASAの検証手順の説明も、対象の構成、試験設備、基準、操作、結果の記録を対応づけています。

測定器の精度と校正状態は、判定の信頼性に関わります。
試験治具やソフトウェアを使うなら、その版と点検方法も管理します。
全数を試すか、標本を選ぶかは、製品の要求と製造上のリスクに合わせて決めます。
抜き取りにしただけで、全製品が同じ品質だと保証できるわけではありません。

異常時の行動まで記す

センサーが不合格だったとき、再測定で合格すれば出荷してよいかを、その場の判断に任せないようにします。
接続不良、測定器の異常、製品の不具合を切り分ける順序を決めます。
最初の不合格結果を消すと、工程の問題を追えなくなります。
再試験と処置の履歴を、製品の識別情報へ結びつけます。

手順は、熟練者だけが補える省略を点検します。
別の作業者に実行してもらい、同じ条件と記録になるかを確認できます。
操作の写真や治具の図は、必要な違いが見えるものを使います。
注意書きを増やすだけで誤接続を防げないなら、治具の設計も見直します。

設計変更と一緒に更新する

部品やソフトウェアが変われば、従来の検査で必要な不具合を見つけられるかを確認します。
製品仕様、試験仕様、手順の版がずれると、正しい製品を誤った基準で判定する恐れがあります。
どの製造番号から新しい条件を適用したかを残します。

製造テストは、作った品が条件を満たすかを調べます。
顧客の用途を満たすかは設計妥当性確認、長く使った劣化は耐久テストで別に確かめます。
合格率の変化を見たら、製品と検査系の両方の変化を調べます。

参考資料