新しい製品案は、技術や需要の見込みがあっても、組織で協力を得られず止まることがあります。
チャンピオン(Champion)は、特定の製品や取り組みの実現へ強く関わり、必要な支援を集めて進める人です。
正式な職位に限らず、組織内での推進の働きに着目した名称です。

案を他の人の判断へつなぐ

たとえば、保守担当者が顧客の点検作業を減らす機能を提案したとします。
チャンピオンは、現場で困っている状況を説明し、設計者に技術上の可能性を、営業に顧客の導入条件を相談します。
試作へ必要な協力と、何が確かめられれば次へ進めるかを整理します。
単に熱意を示すより、相手が判断するための情報をそろえることが役立ちます。

推進と検証を両立する

案を信じる人がいると活動は続きやすくなりますが、都合の悪い証拠を扱わないなら、誤った投資も続いてしまいます。
点検機能の例で、顧客が自社の作業を変えられないとわかったら、説明不足なのか、提供条件が合わないのかを調べます。
試行の前に、仮説と次の判断に使う基準を関係者と共有します。
中止や方向転換を検討した理由も記録し、支持を集める活動だけで終えないようにします。

組織側も、特定の人の働きかけに頼りすぎないようにします。
担当者が異動しても進められるよう、顧客の情報、協力者、未解決事項を共有します。
推進者の残業や個人的な人脈だけで続く状態なら、正式な資源配分と責任を検討する必要があります。

スポンサーとの違い

スポンサーは、資源や権限を使って取り組みを支える責任に着目する概念です。
チャンピオンは推進の働きを指し、必ずしも予算の承認権を持ちません。
一人が両方を担うこともありますが、名称より、誰が投資を決め、誰が日々の協力を集めるかを明確にします。
製品案でなく仕事の進め方を広げる役割はプロセスチャンピオンで扱います。

参考資料