試験を先に行うか、そのまま開発へ進むかを考えるとき、選択によって得られる情報と、その後の行動が変わります。
デシジョンツリーは、選べる行動、不確実な出来事、その結果を枝分かれで表す意思決定のモデルです。
ここでは、機械学習の分類器ではなく、判断の選択肢を整理する図として説明します。

判断と出来事を分ける

仮に、新しい材料で部品を製造する計画があるとします。
先に小規模な試験をするかは、チームが選べる判断です。
試験で必要な強度を満たすかは、調べるまでわからない出来事です。
この二つを区別すると、どの時点で何を知り、何を決められるかを整理できます。

枝の先には、追加試験、材料の変更、開発の中止など、その結果で選べる行動を描きます。
費用を比較するなら、試験の費用と、その後に発生する費用を重複させずに置きます。

期待値の計算例

ある選択で、追加費用が100万円になる場合を確率0.7、300万円になる場合を0.3と仮定します。
期待費用は、100万円の0.7倍と300万円の0.3倍を足した160万円です。
これは仮定した条件での平均であり、実際に160万円で済むという約束ではありません。

別の選択と比べるときは、同じ範囲の結果を含めます。
成功する場合の費用だけを比較すると、失敗時のやり直しや中止の損失を見落とします。
確率の根拠が弱い場合は、値を変えたときに選択が変わるかも調べます。

試験の価値を考える

先に調べることで、その後の選択を変えられるなら、情報を得ることに価値があります。
ただし、どんな結果でも同じ行動を取るなら、試験が判断に与える影響は小さくなります。
何がわかれば計画を変えるのかを、試験前に共有します。

期待値だけでは、引き受けられる最大の損失や、納期などの制約は表しきれません。
感度分析やリスク管理と合わせ、どの前提で選択が妥当かを説明します。

参考資料