プロジェクトが終わっても、成果の引き継ぎや残った判断が自動的に片付くわけではありません。
解散期(Adjourning)は、TuckmanとJensenが1977年に加えた、チームの仕事を終え、活動や関係を整理していく段階です。
目標を達成した場合に限らず、中止や組織変更による終了でも、終え方を設計する必要があります。

完成と引き継ぎを分けて確認する

たとえば、設備監視システムを導入するプロジェクトが、運用部門へ成果を渡すとします。
プログラムが動いていても、障害時の連絡先、監視の設定、保守に必要な知識が引き継がれていなければ、提供を続けられません。
成果物ごとの受け取り手と、未完了事項の扱いを確認し、誰がいつまで対応するかを決めます。
プロジェクトの終了日と、利用者へのサービス提供の終了日も区別します。

終了時に残す判断の記録

成果の保管場所に加えて、採用した案の理由と、採用しなかった案の条件を残します。
たとえば特定の装置を使わなかった理由が供給不足なら、将来の担当者は状況が変わった時点で選び直せます。
経緯のない仕様書だけでは、どこまで変更してよいかを判断しにくくなります。
アクセス権、契約、貸与品、外部協力者との残作業なども、担当者が離れる前に確認します。

ふりかえりでは、成功と失敗の一覧だけでなく、次の案件で変えられる行動を選びます。
「もっと早く相談する」なら、どの兆候を見た時点で、誰に伝えるかまで具体化します。
組織が記録を再利用する場所と機会を用意しなければ、報告会だけで知識が途切れることがあります。

人の移行にも時間を使う

活動の終了に対する受け止め方は、メンバーごとに異なります。
成果を認める機会を設けるとともに、次の担当や相談先を伝え、引き継ぎと新しい仕事が重なりすぎないかを確認します。
一律に祝賀会を開けば解決する問題ではありません。
段階モデルを全員の感情に当てはめず、実際の要望を聞きます。
新しいチームで前提をそろえる活動は形成期、継続的な学びの仕組みは学習する組織も参照してください。

参考資料