新しい製品を増やすと、顧客が選べる範囲だけでなく、販売、提供、保守の仕事も増えます。
製品ポートフォリオ(Product portfolio)は、企業が市場に提供する製品と製品ラインの集合です。
開発中の案件を集めたポートフォリオとは区別し、販売中の製品同士が事業全体にどう貢献するかを見ます。
PDMAの用語集でも、市場に投入した製品群として定義されています。

売上以外の関係を並べる

たとえば、会計、請求、経費の三つのサービスを提供する会社を考えます。
経費サービス単独の売上が小さくても、会計サービスの導入理由になっているかもしれません。
反対に、売上が大きい旧製品が、古い技術の維持に専門家を拘束している場合もあります。
単独の採算と、ほかの製品との関係を分けて記録します。

製品ごとに、対象顧客、購入される便益、売上、提供費用、成長や縮小の状況を整理します。
共有する顧客、技術、販売経路も示します。
同じ顧客が別の製品へ移る影響と、製品が増えたことで新しい顧客を得た効果を混ぜないようにします。
全製品の売上を足すだけでは、内部の置き換えはわかりません。

改良と終了を一緒に考える

先ほどの会社で、旧会計サービスを終了して新サービスへ集約するなら、移行にかかる支援と二重運用の期間が必要です。
旧製品の利用者が求める機能と、新製品がまだ満たしていない条件を調べます。
終了日だけを決めても、顧客の仕事が移らなければ保守を終えられません。
案内、データの移行、契約の変更、例外対応まで計画します。

また、低成長の製品をすべて終了すればよいわけではありません。
安定した収入や他製品への接点を提供している場合があります。
維持に必要な投資と、やめた場合に失う関係を比較します。
将来の成長を理由に新製品を残す場合も、その見込みが何に依存するかを示します。

製品数と管理できる範囲

製品数が増えても、共通機能をうまく使えるなら負担を抑えられる場合があります。
ただし、見た目の共通化だけで、個別の契約や運用手順が残れば保守の負担は減りません。
顧客に提供する価値と、社内の維持作業の両方から統合の対象を選びます。
定期的に実績を更新し、残す、育てる、統合する、終了する方針を製品ごとに明確にします。

自社内の置き換えはカニバリゼーション、共通基盤は製品プラットフォーム、投資判断はポートフォリオ管理と合わせて検討します。

参考資料