製品の案を評価するには、顧客が困っていることと、その市場で事業を続けられる条件を調べます。
市場調査は、顧客、需要、競合、購買、流通などの情報を集め、事業や製品の判断に使う活動です。
米国中小企業庁のガイドも、需要、規模、競争、価格などを調べる問いとして挙げています。

判断する問いから調査を選ぶ

たとえば、地域の習い事を予約するサービスを考えます。
「市場を知る」という目的だけでは、教室数、利用者の不満、料金比較など、集める情報が広がり続けます。
まず「最初に扱う教室の種類を選ぶ」と判断を置きます。
教室側の予約管理の負担、参加者が困る場面、現在の支払い方法を比較すれば、必要な調査が具体的になります。

既存の統計で教室や人口の規模を把握し、聞き取りで実際の予約とキャンセルの経緯を調べる、と組み合わせられます。
同じ数字でも、対象地域、集計年、教室の定義が違えば単純に比較できません。
資料の出所と、何を数えた数字かを残します。
商用レポートの大きな市場金額だけで、自社が獲得できる売上は決まりません。

顧客と競合を広く捉える

競合は、同じ機能を提供するアプリだけとは限りません。
電話、紙の台帳、教室へ直接支払う習慣なども、現在の目的を満たす代替手段です。
誰がどの方法を選び、どの点を変えたくないかを調べます。
自社案の欠点を聞くだけでなく、現状を使い続ける理由を確認します。

また、利用者と購入者が違う場合は、両方の条件を調べます。
予約が簡単でも、教室側の手数料と事務負担が増えれば参加が進まないかもしれません。
複数の当事者の便益と負担を同じ計画へ戻します。

結果の限界を判断へ含める

調査では、集められた情報と、まだわからないことを分けます。
既存顧客への聞き取りだけでは、未利用者の事情は把握できません。
少人数のインタビューは理由と仮説を探すのに役立ちますが、市場全体の割合を示すものではありません。
数を推定するなら、対象と標本の選び方を別に設計します。

調査の終了条件は、報告書の厚さより、判断に必要な疑問が解消したかで考えます。
結果が予想と違ったら、質問を変えて望ましい答えを探すのではなく、製品案と対象の見直しを検討します。
新しく情報を集める一次市場調査、既存情報を使う二次市場調査、仮の提供で反応を確かめる市場テストと使い分けます。

参考資料