顧客に買いたい気持ちがあっても、必要な場所と時期に入手できなければ利用は始まりません。
流通(Distribution)は、製品やサービスを顧客へ届けるための販売経路と、保管、配送、提供などの仕組みです。
売買の窓口と、物理的に運ぶ経路は同じとは限らないため、分けて設計します。

販売経路ごとの仕事を比べる

たとえば、小さな工場向けの測定器を販売する場合を考えます。
自社サイトで直接販売すれば、顧客の問い合わせと情報を把握しやすい一方、説明、請求、設置支援を自社で担います。
販売代理店を使えば、地域の顧客への接点を得られる可能性がありますが、商品知識の共有と条件の調整が必要です。
経路の数だけを増やしても、適切に説明し提供できるとは限りません。

米国中小企業庁の販売計画の説明も、どの方法で顧客へ販売するかを計画へ含めています。
測定器なら、購入前の実演が必要か、即日入手が必要か、設置工事を伴うかなどを調べます。
顧客の購入の仕方から、使う経路を選びます。

届いたあとまで含める

流通の条件には、在庫、納期、欠品時の対応、返品、保守もあります。
測定器を安く届けられても、故障時に交換品が届かなければ、顧客の仕事が止まる可能性があります。
通常出荷と交換対応で、必要な保管場所や在庫量が違うかもしれません。
販売時の費用だけでなく、提供を続ける負担を比較します。

デジタルサービスでも、申込みの経路、利用権の発行、初期設定、支払いが必要です。
配送がないことと、提供の経路を設計しなくてよいことは別です。
代理店経由の契約で、誰が問い合わせを受けるかも明確にします。

経路同士の衝突を防ぐ

直接販売と代理店販売を併用する場合、対象地域、価格、顧客対応の役割が重なる場合があります。
同じ顧客へ違う条件を説明すると、比較と契約が複雑になります。
社内と協力先で、見積もり、更新、支援の窓口を合わせます。
売上をどの経路へ数えるかと、実際に誰が仕事をしたかも分けて把握します。

結果は、取扱店の数だけでなく、対象顧客が入手できるか、説明を受けられるかで評価します。
売れなかったときは、需要の不足と、買える状態になかったことを区別します。
価格と訴求の整合はマーケティングミックス、購入可能性の位置づけはATAR、実際の販売条件の確認はテストマーケティングを参照してください。

参考資料