環境に配慮した変更があっても、伝え方によっては製品全体の影響を実態よりよく見せてしまいます。
グリーンウォッシングは、環境上の便益や取り組みについて、誤解を招く印象を与える表現や活動を指します。
米国FTCのGreen Guidesは、米国の環境広告について、広く曖昧な主張を避け、根拠と対象を明確にする考え方を示しています。

対象と比較条件を明示する

仮の例として、洗剤の容器を軽くした製品を考えます。
「環境にやさしい」とだけ書くと、原料、製造、利用、廃棄のすべてが改善したように受け取られる可能性があります。
確認したことが容器の材料量なら、どの容器と比べ、どの部分がどれだけ変わったかを示します。
中身や輸送の負荷まで測っていない場合は、その範囲を越えた説明にしないようにします。

表示の根拠には、試験や集計の方法、対象期間、製品の範囲を残します。
再生材を一部に使った場合と、製品全体が再生材でできている場合も区別します。
認証を使うなら、認証された対象と評価項目を説明し、関係のない便益まで認められたように表現しないことが必要です。

設計と利用条件を合わせる

詰め替え可能な容器でも、利用者が詰め替え品を入手できなければ、想定した効果は生じません。
回収や再資源化も、実際に利用できる地域や方法に依存します。
製品の理論上の可能性と、提供地域の仕組みを分けて確認します。
小さな利点を示す場合にも、別の大きな負担が増えていないかを調べます。

FTCの指針は米国の制度を前提とするため、その数値条件や扱いを日本を含む全地域の規則として転用しません。
販売地域で適用される表示制度を確認し、製品の実測と表示文を対応させます。
判断が必要な箇所は、対象市場と主張する内容を特定して確認します。

企画段階から、何を改善し、どの証拠を集め、どの表現で伝えるかをそろえると、広告を作る時点で根拠を探し直さずに済みます。
発売後に材料や仕入先が変わった場合も、以前の表示の根拠が有効かを見直します。
主張の数より、利用者が根拠と限界を理解できる説明を目指します。

関連する記事:循環型経済、ライフサイクルアセスメント、持続可能なイノベーション。