製品の存在を知った人が、そのまま購入し、使い続けるとは限りません。
顧客採用モデルは、顧客が製品を知り、評価し、採用して利用を続ける過程を整理するものです。
ここでは、Rogersのイノベーション意思決定過程を一つの例として使います。
フロリダ大学の解説は、知識、態度の形成、決定、実行、確認の段階を説明しています。

段階ごとに異なる障害を探す

  • 知識:製品の存在と使い方を知る。
  • 態度の形成:自分に役立つかを評価する。
  • 決定:採用するか、見送るかを選ぶ。
  • 実行:実際の仕事や生活で使う。
  • 確認:結果を踏まえ、継続や中止を判断する。

たとえば、法人向けの電子署名サービスを考えます。
担当者が名前を知っていても、自社の契約で使えるかがわからなければ評価へ進めません。
試行が好評でも、決裁と取引先への案内が終わらなければ実行は始まりません。
開始後の失敗が多ければ、以前の方法へ戻る可能性もあります。

指標を行動へ対応させる

広告の接触、資料請求、契約、初回の署名完了、継続利用は、それぞれ別の情報です。
資料請求を採用と呼ぶと、どこで止まったかがわからなくなります。
段階の名前より、その製品で何が起きたら移ったと判断するかを定義します。
法人では、関係者ごとに理解と承認の状態が異なることも記録します。

電子署名の例なら、初回契約を完了できなかった相手に、操作、取引先の条件、承認のどれが障害だったかを聞きます。
停止した段階に合わせて支援を選べば、全員へ同じ案内を送るより問題を特定できます。

一方向の流れと決めつけない

段階は分析のための整理であり、全員が同じ期間と順番で進む保証ではありません。
一度採用した人が再評価したり、他の人の決定で急に使い始めたりする場合もあります。
図に合わせて行動を省略せず、実際の経緯からモデルを修正します。

また、個人の採用過程と、市場全体の採用者の分類は別です。
アーリーアダプターなどは採用時期に関する分類で、知識や実行と同じ段階名ではありません。
両方を同じ図に載せる場合は、個人の過程と市場の時間を区別します。
存在の理解は認知、初期の採用者はアーリーアダプター、経験を追う方法はジャーニーマップを参照してください。

参考資料