関連する開発案件を個別に完了させても、全体として期待した変化が起きないことがあります。
プログラムマネージャー(Program manager)は、関連する複数のプロジェクトや活動を調整し、個別管理だけでは得にくい便益の実現を進める人です。
PMIのプログラム管理では、案件間の依存に加え、全体の成果と便益へ目を向けます。

案件を結ぶ目的を示す

たとえば、保守サービスを遠隔対応へ変えるために、機器の通信、監視画面、担当者の教育をそれぞれ開発するとします。
通信機能だけが完成しても、画面や対応手順が使えなければ、顧客への提供は始められません。
プログラムマネージャーは、依存する成果と利用開始の条件をそろえます。
単に各案件の進捗表を集めるだけでは、つなぎ目の問題は見えません。

便益を得るための仕事

この例で期待する便益が、訪問回数の削減や対応の早期化なら、導入後の仕事の変化を確認します。
必要な機能に加えて、現場の受け入れ、運用の責任、利用記録も計画します。
開発が完了した時点と、便益が得られる時点が異なる場合には、誰がその後を確かめるかを明確にします。
顧客や運用部門との調整も、全体の管理に含めます。

変更を全体で判断する

一つの案件が遅れたら、他の案件を同じ日程で進めるべきかを検討します。
画面の開発範囲を減らして先行提供する、教育の日程を変えるなど、全体の選択肢を比べます。
共通の専門家を奪い合う場合も、個別案件の重要度だけでなく、便益へ影響する順番で調整します。
案件の担当者が持つ判断権限と、プログラム側が決める事項は分けて共有します。

ポートフォリオとの違い

プロジェクトポートフォリオは、戦略と資源配分のために案件をまとめ、すべてが互いに関連する必要はありません。
プログラムは、関連する活動を協調して進めることで得られる便益に着目します。
大きな案件なら必ずプログラムと呼ぶわけではないため、組織での定義と実際の目的を確認します。
個別案件を率いる責任はプロジェクトリーダーも参照してください。

参考資料