同じ利益を得る二つの案でも、必要な投資額が違えば、資源の使い方は異なります。
投資収益率(ROI)は、投資額などに対する利益の比率を表す指標です。
OpenStaxの管理会計の説明は、利益を平均投下資産と比較する用法を示しています。
分子と分母には複数の定義があるため、名前だけで比較しないようにします。

計算の範囲を先に示す

プロジェクト評価の単純な例として、投資に関係する純便益を投資額で割る定義を使うとします。
仮に100万円を投資し、二年間の収入から投資と関連費用を差し引いた純便益が20万円なら、その期間のROIは20%です。
この値は二年間の合計であり、年20%とは扱いません。
会計利益を用いるROIや、割引後の収支から得る指標とも区別します。

資料には、対象期間、利益の範囲、投資額の範囲、税や共通費の扱いを記します。
初期投資だけを分母にする案と、追加費用まで含む案を、同じROIとして順位づけないことが必要です。
予測値か実績値かも明らかにします。

比率から見えないこと

ROIが高い小規模な案と、低くても利益の総額が大きい案では、資源配分の結果が異なります。
必要資金、担当者、実行できる時期を合わせて考えます。
事業部のROIを評価に使う場合には、現在の高い率を維持するために、価値を生む追加投資を避ける動機がないかも確認します。

時間の異なる現金収支を比べる場合は、NPVなどで時期をそろえる評価も必要です。
売上の増加や作業時間の削減を、すべて利益として数えないようにします。
提供費用、移行、保守、実際の支出の変化を確認します。

顧客数や利用率が未確認なら、単一のROIを確かな実績のように示しません。
前提を変えた幅を示し、どこを検証すれば判断が変わるかを整理します。
導入後は、予測した便益と費用を同じ定義で追い、変化の理由を次の企画へ戻します。
指標を高く見せるために集計範囲を変えず、変更が必要なら以前の結果との差を説明します。

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