調査で得た声を機能名だけへ変換すると、別の解決策を検討しにくくなります。
ニーズステートメントは、誰が、どの状況で、何を達成するために何を必要とするかを表す文です。
Nielsen Norman Groupの記述方法も、利用者、必要なこと、その目的を結びつけています。
短い定型文を作ることより、調査結果から設計へ渡す問いを明確にします。

要望と目的を分けて書く

たとえば、工場の担当者が「作業一覧を印刷したい」と要望したとします。
直近の仕事を聞くと、端末を置けない場所でも、次の作業と確認項目を見たいとわかったとします。
「現場で作業する担当者は、端末を参照できない場面でも、次の作業と確認事項を知りたい」と書けます。
印刷は、そのニーズを満たす候補の一つとして別に残します。

ただし、紙で保管することが顧客との契約条件なら、それは消してはいけません。
目的と、守る必要がある制約を分けて記録します。
解決策へ依存しない表現を目指しても、現場の具体的な条件まで抽象化しないようにします。
「情報を把握したい」だけでは、設計の判断へ使えません。

原文の根拠をたどる

記述には、元の発言や観察、対象者の条件を結びつけます。
複数の人の話を統合する場合は、共通する目的と異なる制約を示します。
一人の強い要望を、全顧客のニーズとして一般化しないようにします。
調査者が推測した部分は、確認済みの内容と区別します。

作業一覧の例なら、担当者へその文を示し、どの場面で当てはまるかを聞けます。
賛成を求めるだけでなく、当てはまらない仕事と、別の方法で足りている条件も調べます。
文を自然にしたことは、仮説が正しい証拠にはなりません。

試作の評価へつなげる

ニーズが明確になれば、紙、携帯端末、音声など、異なる手段を比べられます。
試作では、次の作業を正しく選べるか、確認事項を見落とさないかを確かめます。
案の好みだけを聞くより、達成したい結果へ評価を結びつけられます。

優先順位には、問題の頻度、放置した影響、現在の対処、対象者の範囲を加えます。
きれいな文になったニーズから順に開発するわけではありません。
提供費用と事業の方針も含めて選びます。

意味の整理は顧客ニーズ、元の声の管理は顧客の声、提供する便益の設計は価値提案を参照してください。

参考資料