事業の成果を利益だけで評価すると、働く人や周囲の環境への影響が見えにくくなることがあります。
トリプルボトムラインは、経済、社会、環境の三つを合わせて事業の成果を考える枠組みです。
提唱者John Elkingtonの解説は、これらの側面を統合して扱う必要性を述べています。

三つの結果を別々に記録する

仮の例として、衣料品の補修サービスを始める企業を考えます。
経済面では収益と補修費用、社会面では作業する人の条件や利用者の使いやすさ、環境面では製品の使用期間と材料の消費を確認できます。
どの指標を採用するかは、事業が誰に何を変えるかに合わせて選びます。
三つの欄を埋めることだけでは、重要な影響を捉えたとは判断できません。

補修によって衣服を長く使えても、輸送や洗浄の負荷が増える場合があります。
売上が増えたことから社会や環境にもよいと推定せず、それぞれの結果を確かめます。
指標には、範囲、対象期間、比較する状態、データの入手方法を添えます。
取引先へ作業を移した場合には、その先の負担を集計から落とさないようにします。

一つの点数にまとめる前に

利益、労働時間、材料使用量は、単位が異なります。
三つを足して総合点にするには、換算や重みづけの判断が必要です。
その方法を示さず「全体としてよい」と説明すると、どの負担を何と引き換えにしたかが見えなくなります。
まず各結果と、必ず満たす条件を分けて示すと、選択の理由を議論できます。

目標に対する達成度だけでなく、事業が拡大したときの総量も確認します。
一件あたりの材料が減っても、補修対象が増えれば全体の使用量は変わります。
利用者への便益と、提供に必要な資源を同じ期間で追うことが必要です。

この枠組み自体が、特定の報告基準への適合や、社会的な望ましさを認定するわけではありません。
採用する制度や測定基準がある場合は、その対象と要件を別に確認します。
説明資料では、未測定の影響、結果の不確実性、改善を必要とする箇所も残します。
利益以外の数字を装飾として添えるのではなく、設計、調達、提供の判断を変更する材料として使います。

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