収益の見込みだけで案件を比べると、将来の選択肢を調べる仕事や、必要な基盤の改善が残らないことがあります。
ポートフォリオ基準(Portfolio criteria)は、複数の案件を選択し、優先順位と資源配分を決めるための評価軸です。
何を達成するために比較するかを、組織の戦略から具体化します。

必須条件と比較の軸を分ける

たとえば、新製品案を選ぶなら、技術上の実現性や守る品質条件を確認します。
それらを満たした案件について、顧客の価値、戦略への適合、期待する収益、期間、必要な資源などを比較します。
安全上の必須条件が満たせない案を、高い売上予測の点数で補うことはできません。
合格しなければ進めない条件と、案件同士の順位へ使う軸を区別します。

段階が違う案件を比べる

顧客調査の初期と発売準備では、情報の量と確かさが異なります。
詳細な収益を予測できない案件へ、無理に同じ精度の数値を付けると、仮定の違いが点数へ隠れます。
初期には、課題の重要性、次に確かめたい前提、調査へ必要な投資なども使います。
証拠が増える時点で、評価を更新します。

組み合わせの基準

一件ずつの評価が高くても、同じ市場、技術、専門家へ偏る場合があります。
短期と長期、既存顧客と新規顧客、確実な改良と探索など、全体の構成を確認します。
各軸の望ましい配分は、組織の目的と資源に応じて決めます。
標準の比率を当てはめるのではなく、その配分で何を実現したいかを説明します。

点数を判断の代わりにしない

採点するなら、尺度、重み、根拠となる情報を明示します。
担当者間で同じ点数の意味が違うと、合計を比べても判断はそろいません。
結果を参考にしつつ、資源の不足や案件間の依存を合わせて検討します。
製品開発ポートフォリオへ実際の配分を反映し、判断基準としての使い方と、定期的な見直しを行います。

参考資料