同じ「十分な性能」という言葉でも、作る人と使う人が想像する条件は異なることがあります。
仕様(Specification)は、対象が満たす条件、性能、構造、振る舞い、接続などを、共有して確認できる形で定めたものです。
文書だけでなく、図、モデル、表、試験条件などを組み合わせて表せます。

何を確認すれば満たしたと言えるか

たとえば、倉庫用の読取端末に「素早く結果を表示する」と書いたとします。
対象のラベル、距離、照明、通信の条件、表示までの時間を定めなければ、同じ結果を比較できません。
必要な数値は、利用場面を調べて決めます。
確かめる方法と条件を、仕様を決める段階から検討します。

必要性と実現方法を区別する

顧客が必要とする結果と、そのために選んだ設計を混ぜると、変更できる範囲が見えにくくなります。
結果を通知する必要があっても、音、表示、振動など、複数の方法があり得ます。
すでに決まった外部条件と、設計者が比較できる選択肢を分けて記録します。
用語の定義と、未確定の項目も明示します。

変更と整合を管理する

仕様を変える場合は、理由、影響する部分、必要な追加確認を示します。
端末の通信方式を変えるなら、ソフトウェア、設備、試験にも影響するかもしれません。
版をそろえ、関係者がどの条件を基準に作業し、受け入れたかを追えるようにします。
最新の文書があるだけでは、すべての成果へ反映されたとは判断できません。

詳しさを目的へ合わせる

調査中の案と製造へ渡す条件では、必要な確かさが違います。
未検証の前提を数値で埋めるより、何をいつ確かめるかを残します。
一方、後から変更しにくい接続や寸法は、必要な時点までに合意します。
設計仕様は実現する構成と詳細、製品設計仕様は製品全体の条件をまとめる際の呼称として参照できます。
文書の名称だけで役割を推測せず、対象と判断を確認します。

参考資料