個々には有望な開発案件でも、同じ顧客や同じ技術に集中すると、全体として一つの変化に弱くなります。
バランス型ポートフォリオ(Balanced portfolio)は、事業の方針と利用できる資源に照らして、異なる性質の案件を組み合わせた状態です。
短期と長期、新規市場と既存市場など、何のバランスを取るかを明示して使います。

半分ずつに分けることが目的ではない

たとえば、業務ソフトウェアの会社に、既存製品の改良、新業種への展開、将来の分析技術の研究という候補があるとします。
改良だけなら直近の顧客には応えやすくても、将来の市場を探る仕事が進みません。
研究だけなら、現在の顧客への対応と収入を支える仕事が不足します。
だからといって、予算を三等分すれば適切になるわけでもありません。

組み合わせを決める前に、既存顧客への約束、事業として達成する目標、使える資金と人員を確認します。
そのうえで、案件の期間、不確実性、想定する顧客、必要な専門能力を並べます。
Stage-Gate Internationalのポートフォリオの解説は、価値だけでなく案件のバランスと戦略との整合を扱っています。
評価の軸は、自社が実際に選び直せるものに絞ります。

案件数に隠れる偏り

案件数が同じでも、資金や人の使い方は違います。
小さな改良が十件、大規模研究が一件なら、件数の割合と投資額の割合は一致しません。
予算に加えて、同じ設計者や試験設備に作業が集中していないかを調べます。
異なる市場向けの案件でも、すべて同じ部品の供給に依存していれば、供給停止の影響は共通します。

先ほどの会社なら、新業種向けの開発を始める前に、改良案件と担当者が重なる期間を確認します。
重なりが解消できなければ、研究の開始を遅らせる、改良の範囲を絞る、外部の能力を使うといった選択肢を比べます。
各案件に少しずつ人を割り当てるだけでは、どれも完了しない状態になる可能性があります。

見直す条件を置く

バランスは、組織の財務状態や市場の変化によって変わります。
四半期などの区切りで実際の支出と進展を確認し、想定から外れた理由を調べます。
案件を続ける判断では、過去に使った額だけに引かれず、ここから必要な資源と得られる成果を比べます。
売上予測の精度が低い初期探索は、検証できたことと次の投資で確かめることも示します。

資源配分を決める手順はポートフォリオ管理、戦略から枠を置く方法はトップダウン型ポートフォリオ選択を参照してください。

参考資料