コンカレントエンジニアリング(Concurrent Engineering、CE)は、製品の設計、製造、品質、調達、運用や保守などを、関係者が早い段階から連携して検討する開発アプローチです。
設計が完了してから製造へ渡すという順次の受け渡しで見つかる問題を、設計を変更しやすい段階で把握することを目指します。

複数の部署が同じ時期に働けば、それだけで成立するわけではありません。
同じ要求と設計情報を使い、相互の制約を理解しながら、製品全体として判断する必要があります。

後工程の問題を設計へ戻す

仮に、防水機能を持つ携帯機器を開発するとします。
設計者は部品を密閉する構造を考えます。
製造担当者は組み立て方や検査方法を、保守担当者は電池や故障部品の交換を、調達担当者は材料の入手性を検討します。

密閉性だけを重視すると、組み立てに時間がかかり、修理時には筐体を壊す必要が生じるかもしれません。
これらの条件を構造の確定前に持ち寄れば、接合方法や部品の配置を比較できます。
同じ問題が金型や生産設備の完成後に見つかると、変更の影響が大きくなります。

並行させる範囲を決める

すべての作業を一斉に始める必要はありません。
ある部品の設計が決まらなければ、確定できない工程もあります。
要求、外形、接続条件など、何が確定し、何が仮の前提なのかを明確にして並行作業を進めます。

情報を早く渡すことには、後から変わる可能性も伴います。
仮の寸法を確定値と思って設備を手配すれば、かえって手戻りが増えます。
設計の版、未決定事項、変更時に連絡する相手を共有し、作業間の依存関係を管理します。

会議では、それぞれの部署が状況を報告するだけでなく、対立する要求を解決します。
製造費、品質、保守費、納期を比較し、誰がどの根拠で決めたかを残します。

効果を確かめる

開発期間だけでなく、設計変更の発生時期、量産開始時の不具合、現場での組み立てや保守の負担も確認します。
設計期間を短くしても、量産や運用に問題を移しただけなら、全体としての改善とはいえません。

部門横断チームや製造・組立性設計は、この連携を具体化する手段になります。
必要な専門家が早期に参加し、未確定の情報を含めて意思疎通できることが、単なる日程の重複との違いです。

参考資料