受注書を電子ファイルにしても、担当者が内容を別の台帳へ入力し直していれば、転記の仕事は残ります。
デジタル活用(Digitalization)は、デジタル技術とデータを使い、仕事の流れや顧客への提供方法を改善することです。
情報の形式を変えるだけのデジタル変換から、どの作業や判断を変えるかへ検討を進めます。

仕事のつながりを変える

仮に、営業所が受けた注文を、本社で確認して倉庫へ出荷依頼しているとします。
注文情報を一度登録すれば、在庫の確認と倉庫への連絡に同じデータを使えるようにする、という改善が考えられます。
単なる書類の置き換えに加え、転記、照会、二重確認の発生条件を変える取り組みです。

ただし、倉庫ごとに商品コードが違えば、データをつなぐだけでは処理できません。
項目の意味、管理責任、誤りを修正する手順を合わせて整理します。
例外を担当者の記憶だけに頼ると、通常の注文は速くても、変更や返品のたびに作業が止まります。

改善対象を選ぶ

現状の作業を、依頼、記録、確認、判断、通知という実際の動作で並べます。
どこで待ち、どこで入力し直し、どの誤りが手戻りを生んでいるかを観察します。
そのうえで、作業そのものをなくす、共通化する、デジタルで支援するという選択肢を比較します。

「ツールに合わせて全員が入力を増やした」という結果を避けるために、利用者側の手間も評価します。
導入前後で同じ仕事を追い、完了までの時間、訂正の件数、問い合わせの理由を比べます。
一部門だけの処理速度が上がって、次の部門に未処理の仕事が積み上がっていないかも確かめます。

DXとの関係

業務を改善する中で、顧客に新しいサービスを提供したり、料金の仕組みを変えたりする機会が見つかることがあります。
その場合はデジタルトランスフォーメーションとして、事業と組織の変更も検討します。
用語の段階を上げること自体を目標にせず、対象の仕事と顧客に必要な変化で取り組みを選びます。

参考資料