顧客が案に賛成しても、実際の価格と利用条件で選ばれるとは限りません。
市場テストは、対象顧客や市場の範囲を限定して、製品や施策への実際の反応を確かめる活動です。
ここでは、広い意味で、購入、利用、継続へ関わる仮説を試すこととして扱います。
Strategyzerの実験の整理も、仮説ごとに得られる証拠と負担を選び分けています。

一回で確かめる問いを絞る

たとえば、地域の事業者へ書類整理サービスを提供する場合を考えます。
最初は、月額料金を示した有料の試行を案内し、誰がどの条件で申し込むかを調べられます。
申込みが少なければ、価格、対象、伝え方、提供内容のどれが原因かは、その数字だけではわかりません。
どの条件を変え、何と比較するかを先に決めます。

試験計画には、対象者、接触する経路、提示する条件、記録する行動、期間、次の判断を置きます。
少人数の試行なら、件数の比較だけでなく、一件ずつ購入と見送りの経緯を調べる方法もあります。
価格を隠して集めた関心と、価格を示して得た申込みを同じ反応率として扱わないようにします。

事業としての負担も測る

担当者が手作業でサービスを提供すれば、製品化の前に利用価値を試せます。
ただし、その特別な手作業を通常の料金で継続できるかは別の問いです。
書類の整理にかかった時間、例外、問い合わせを記録します。
利用者の満足だけでなく、提供費用と繰り返しの購入を確かめます。

試行の参加者には、提供範囲、期間、料金、終了時の扱いを明示します。
まだ存在しない機能を、すでに利用できるように説明すると、反応の意味も変わります。
申込ボタンのクリック、見積もり依頼、契約、支払いは、それぞれ別の行動として記録します。

拡大する前に結果を読む

好意的な顧客だけを選んだ試行が成功しても、別の顧客群へ同じ結果を広げられるとは限りません。
通常の販売経路で、同程度の費用で顧客を集められるかを追加で確かめます。
一方、試行が失敗した場合は、顧客の問題自体が弱いのか、提供の仕方が合わなかったのかを調べます。

終了後は、当初の仮説、実施した条件、実際の行動、判断を一緒に残します。
採用する条件を後から緩めず、追加調査をするなら新しい問いとして計画します。
販売と流通まで組み合わせるテストマーケティング、購入の対価を確かめる支払意思額と目的を合わせます。

参考資料