仕事を始めると、最初の会議では表に出なかった判断の違いが現れます。
混乱期(Storming)は、Tuckmanのチーム発達モデルで、目的、役割、進め方などをめぐる対立が目立つ状態です。
相手の性格を説明する名称として使うと、解くべき仕事上の問題が見えなくなります。

対立の対象を分ける

たとえば、設計者は精度を上げたいと考え、営業担当者は納期を守りたいと主張しているとします。
両者に「協力して」と伝えるだけでは、精度と納期のどちらをどこまで調整できるかが決まりません。
必要な性能、顧客と約束した条件、追加作業の量を並べ、同じ情報で選択肢を比較します。
事実の認識が違うのか、評価の基準が違うのか、決定する権限が不明なのかを分けて扱います。

話し合いを仕事の決定へ進める

進行役は、各案が守ろうとしている条件と、受け入れられる妥協の範囲を確認します。
たとえば、一部顧客に限って先行提供し、その間に精度を改善する案があれば、品質上の条件を満たせるかを検討します。
合意できない事項については、決定者と判断期限を明確にします。
何も決めずに会議を終えると、各部門が自分の前提で作業を続け、後で変更が広がります。

人格への非難や威圧がある場合は、通常の意見対立と同じ扱いにはできません。
発言の扱い方を確認し、必要なら上司や組織の支援を得て、安心して問題を伝えられる状態を整えます。
「発達のために必要な段階だから」と有害な行動を放置する根拠にはなりません。

対立が少ないことだけを評価しない

全員が黙って従う状態と、互いの条件を理解して協働する状態は違います。
反対意見が減ったときも、判断が速くなったか、未解決事項を早く共有できるかを確かめます。
Tuckmanのモデルは、すべてのチームが同じ順序と強さで対立することを保証するものではありません。
共通の進め方ができ始めたら、規範形成期の視点から、合意が実際に使われているかを見ます。
初期の認識合わせについては形成期も参照してください。

参考資料