設計部門の図面を変えても、製造、保守、調達へ同じ変更が伝わらなければ、異なる仕様が混在します。
製品ライフサイクル管理(Product Lifecycle Management、PLM)は、製品の構想から設計、製造、利用、保守、廃止まで、情報と変更をつなげて管理する考え方です。
その活動を支える情報システムも、PLMと呼ばれます。

どの製品の状態かを特定する

たとえば、業務用ポンプの部品を交換するとします。
最新版の図面だけでは、すでに納入したポンプのどれにその部品が使われているかはわかりません。
部品の構成、設計の版、適用する製造番号、変更の承認記録を対応させます。
保守担当者が交換可能な部品を判断し、調達担当者が必要な供給を確認できる状態を作ります。

変更の流れを設計する

変更要求を受けたら、理由、影響する製品と工程、確認が必要な品質条件を整理します。
誰が技術を評価し、誰が適用を承認し、いつから製造へ反映するかを決めます。
在庫や出荷済み製品への対応も、設計の変更とは別に確認します。
情報を保存するだけでなく、必要な人が正しい版を参照できる権限と手順が必要です。

製品が市場へ出た後の情報も、開発へ戻します。
故障や修理の記録を構成情報と結びつけると、特定の条件で問題が集中しているかを調べられます。
ただし、情報の粒度や記録方法がそろっていなければ、システムを導入しただけで原因がわかるとは限りません。

市場のライフサイクルとの区別

導入期、成長期、成熟期、衰退期という分類は、市場での売上や需要の推移に着目します。
PLMは、製品を成り立たせる情報と活動を生涯にわたって管理するため、観察している対象が異なります。
成熟期の製品でも、設計変更や供給終了への対応は必要です。
開発終了後の責任はオペレーション、組織全体の案件配分は製品開発ポートフォリオとも関係します。

参考資料