担当者が判断のたびに上司の返答を待つと、小さな変更でも仕事が止まります。
自律型チーム(Autonomous team)は、共有した目的と制約の範囲で、仕事の計画、実行、調整を自分たちで決めるチームです。
人を集めて自由に任せるだけでは、判断に必要な条件は整いません。

任せる範囲を決める

たとえば、配送サービスの遅配を減らすチームに、配車ルールの改善を任せるとします。
目標だけでなく、守るべき安全条件、使える予算、変更してよい地域を共有します。
現場の担当者が利用記録へアクセスでき、実装や運用変更の技能も得られれば、案の比較から試行まで進められます。
一方、料金を変える権限がないなら、その相談先と判断を得る期限を決めておきます。

支援と指示を区別する

自律性を高めるには、担当者の能力に加えて、組織が用意する情報と資源が必要です。
管理者は毎日の作業順を指定する代わりに、チームが解決できない依存関係や権限の不足を扱います。
例のチームが毎回データの抽出を別部署へ依頼しているなら、必要な情報を直接確認できる方法を検討します。
上司の関与を単に減らすと、判断の負担だけが現場へ移ることがあります。

チームは、決めたことと得られた結果を関係者へ示します。
どの改善を試し、遅配や安全面にどう影響したかを共有すれば、次の判断を相談できます。
報告は細かな作業の承認を取り直すためではなく、目的に沿った調整と支援につなげるために使います。

独立していることとは違う

自律型でも、他部門や顧客との調整は残ります。
チーム同士が同じ人員や設備を使うなら、資源の競合を解決する仕組みが必要です。
また、全員がすべての専門作業をできる必要はありませんが、成果を作るための技能をチームとして得られるかは確かめます。
スクラムチームにも自己管理の考え方がありますが、自律型チーム全般がスクラムを使うとは限りません。
分散して働く場合の工夫は分散チームも参照してください。

参考資料