デザイン思考を紹介する図には、共感、問題定義、発想、試作、テストを五つの六角形で示すものがあります。
5つの六角形モデル(Five hexagon model)は、この五つの活動を整理する図として使われます。
ここでは、Stanford d.schoolが示す五つのモードに沿って説明します。
図の形を覚えるより、いま不足している情報を得る活動を選ぶために使います。

五つの活動で問いが変わる

  • 共感:利用者の行動と状況を観察し、本人の説明を聞く。
  • 問題定義:誰のどの問題に取り組むかを、調査した事実から定める。
  • 発想:その問題を解く、異なる仕組みの案を考える。
  • 試作:確かめたい部分を、利用者が反応できる形にする。
  • テスト:試作を使う行動から、問題と解決策の仮説を見直す。

たとえば、図書館で予約した本を受け取れない人がいるとします。
通知の追加を考える前に、予約から来館までの行動を調べます。
通知を見落としたのか、受け取り期限が仕事と合わないのかでは、解くべき問題が違います。
本人の「忙しかった」という説明も、どの場面の制約かを具体的に確かめます。

試作から問題へ戻る

期限を延ばせる画面と、代理人が受け取る仕組みを紙で示せば、実装前に利用条件を比べられます。
画面がわかりやすくても、利用者が受け取り場所まで行けないなら、操作性の改善だけでは足りません。
その結果を受け、別の場所で受け取る方法や、取り組む対象者の見直しへ戻れます。
テストで好意的な感想が出たことと、現場で問題が解けたことは分けて扱います。

五つの活動は、順番に一回ずつ完了する工程とは限りません。
d.schoolの資料も、必要なところから方法を使える構成になっています。
試作を通じて新しい制約を知ったら観察を追加し、問題を捉え直します。
各活動の成果物を作っただけで次へ進む運用にすると、仮説を確かめる目的が薄れます。

図だけでは決まらないこと

この図は、予算配分、提供責任、技術の安全性などを自動的に決める仕組みではありません。
図書館の例なら、利用者の便益に加えて、職員の作業、個人情報の扱い、本の保管能力を確認します。
誰が何を判断するかを別に定め、試作の結果と事業や運用の判断をつなげます。

活動の進め方は顧客現場訪問とプロトタイプ、市場への提供まで含めた整理はクォーツオープンフレームワークを参照してください。

参考資料