「写真を使う」「通知を増やす」といった着想だけでは、どの顧客の何が変わるかを比較できません。
コンセプトは、対象顧客、解く問題、提供する仕組み、得られる便益をひとまとまりに説明した製品やサービスの案です。
顧客と提供内容の対応を整理する方法として、Strategyzerの価値提案キャンバスも利用できます。

一つの利用場面を通して記述する

仮の例として、修理業者向けの訪問予約サービスを考えます。
「予約をオンライン化する」だけでなく、「電話を取りにくい作業中の担当者が、顧客の希望日時と故障箇所の写真をまとめて確認し、訪問可否を返答する」と書きます。
誰がどの情報を使うかが見えるため、単なる空き時間の選択画面との違いを説明できます。

さらに、予定を管理する人、顧客への返答方法、対応できない依頼の扱いを記します。
料金や提供地域も、利用できるかを左右する条件なら含めます。
一方、画面の色や内部の実装方法まで先に固定すると、同じ便益を別の方法で届ける案を検討しにくくなります。
成立条件と、変更できる設計を分けておくとよいでしょう。

仮説と仕様の距離

コンセプトに書いた便益は、顧客に確かめるまでは仮説です。
訪問予約の例なら、写真があると訪問の判断が早くなるか、顧客が十分な写真を撮れるかを試します。
製品説明への賛成だけを集めず、直近の依頼を使って、実際にどの情報が不足したかを調べます。
利用者が便利だと感じても、管理者が契約しないなら、購入を妨げる条件も確認します。

検証を通じて、写真の送信より、依頼の緊急度をそろえることが必要とわかる場合もあります。
そのときは、最初の機能案を守るために解釈を変えず、問題と提供方法の組み合わせを更新します。
詳しい仕様に進む前に、検証したこと、未確認のこと、対象から外す利用場面を残します。
この記録があると、営業説明と開発判断の前提を合わせやすくなります。
コンセプトを短い標語に縮めすぎず、異なる人が同じ利用場面を想像できる具体性を持たせます。

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