会社が掲げる価値観と、日常の会議で実際に認められる行動は、必ずしも一致しません。
企業文化は、組織で共有され、判断や行動の前提になっている考え方や習慣を指します。
Edgar Schein自身の対話は、表に見える行動、掲げた価値観、その下の暗黙の前提を区別しています。

宣言と実際の判断を見る

仮の例として、「失敗から学ぶ」と掲げる開発組織を考えます。
実験で需要が乏しいとわかった担当者が低く評価され、計画どおり発売した担当者だけが評価されるなら、実際の行動は宣言と異なる方向へ動く可能性があります。
メンバーの性格に原因を求める前に、何が承認され、どんな情報が報告されなくなるかを調べます。
会議、予算、採用、評価の具体的な出来事が材料になります。

見える行動だけから、組織全体の前提をすぐ断定しないようにします。
一つの会議の沈黙でも、準備不足、権限の違い、担当外の話題など、異なる理由があります。
行動を記録し、本人の説明を聞き、別の場面でも同じ傾向があるかを確認します。
部門や職種によって異なる習慣が存在する場合もあります。

変える対象を具体化する

文化を変える施策には、標語や研修以外に、日常の判断の変更が必要になることがあります。
実験を推進するなら、何を確かめる費用を認め、どの結果を報告し、見送る判断をどう評価するかをそろえます。
一方、製品の品質や契約条件を守る仕事まで、失敗を奨励する言葉で一括しないようにします。
探索で許容することと、提供時に満たす条件を分けます。

変更後は、研修への参加率だけでなく、実験結果の報告、問題の相談、投資の見直しが実際に変わったかを確認します。
行動が変わらない場合には、評価や権限など、従来の行動を支える条件が残っていないかを調べます。

文化を一つの点数で優劣づけると、どの仕事に役立つ前提かが見えなくなる場合があります。
現在の目標に対して、何が協働を助け、何が判断を妨げるかを具体的に扱います。
短期間の施策だけで根付いたと判断せず、担当者や状況が変わった場面でも確認を続けます。

関連する記事:イノベーション戦略、戦略的優先事項、継続的改善。