複数の製品が顧客からどのくらい似ていると見られているかを、図で確かめたいことがあります。
多次元尺度構成法(MDS)は、対象間の距離や非類似度をもとに、その関係をできるだけ保つよう少数の次元へ配置する方法です。
二次元に配置すれば、似た対象が近くなる地図として見ることができます。

何を距離として入力するか

仮に、飲料のブランドが似ている程度を調べるとします。
参加者にブランドの組を比較してもらう方法と、味や価格などの測定値から距離を作る方法では、入力する情報が異なります。
調査で得た知覚上の近さと、企業が定めた製品属性の近さを区別します。

距離の数値を近似する方法と、近さの順序を中心に扱う方法もあります。
回答の尺度や目的に応じて選び、異なる収集方法の結果を同じ意味として混ぜないようにします。

配置の読み方

近い点は、入力した条件において類似していることを示します。
ただし、図の横軸が必ず価格、縦軸が必ず品質になるわけではありません。
配置の向きを回転しても距離関係は保たれるため、軸の名前は、別に調べた属性との対応から慎重に解釈します。

また、離れた点の間に空きがあるからといって、そこに市場機会があるとは限りません。
好まれる特徴なのか、顧客が避ける組み合わせなのかは、選好や利用場面の情報を加えないと判断できません。

元の関係をどこまで保てたか

少ない次元に収めるほど、元の距離を完全には再現できなくなります。
ストレスなどの適合指標と、どの組の関係が歪んだかを確認します。
二次元と三次元などを比較し、見やすさと再現の程度を検討します。

対象の選び方や回答者が変わると配置も変わるため、図の利用条件を記録します。
顧客全体の認識とみなす前に、調査対象が誰だったかを確かめます。
主成分分析との違いは、元の変数の分散を要約するか、対象間の距離関係を近似するかにあります。
選好を扱うコンジョイント分析と組み合わせる場合も、近さと好みを分けて解釈します。

参考資料