初めて集まったメンバーは、専門分野を知っていても、その集まりで何を期待されているかまではわかりません。
形成期(Forming)は、Tuckmanのチーム発達モデルで、目的、仕事の進め方、互いとの関係を探る初期の状態を指します。
表立った反対が少なくても、共通理解ができたとは限りません。

合意より先に確かめる情報

たとえば、営業、設計、製造の担当者が新しい測定器を開発するとします。
営業は顧客への納期回答を、設計は技術的な可能性の調査を、製造は量産条件の確定を急いでいるかもしれません。
最初の会議で「早く進める」と合意しても、各人が考える次の仕事は違います。
そこで対象顧客、今回決めたいこと、まだ約束できないことを具体的に共有します。

リーダーが整える足場

形成期には、目的と担当を説明するだけでなく、誰に質問できるか、意見が割れたら誰が決めるかも示します。
会議の頻度、資料の置き場所、欠席時の情報共有など、小さな約束を実際の仕事で確かめます。
専門用語は例を使って確認し、理解したかを「わかりましたか」という質問だけで判断しないようにします。
測定器の例なら、各部門が「試作完了」と呼ぶ状態を挙げると、必要な確認の違いを見つけられます。

初期の計画は、知識の不足を前提に見直す日を設けます。
全員が詳細を理解するまで着手を止めるより、小さな共同作業を通じて不足を見つける方法もあります。
参加者の経験や不明点を聞けば、担当表だけでは見えない支援の必要性を把握できます。

発達段階は診断の仮説

形成期は、結成から何日間という期間を表す語ではありません。
新しい人の参加や目標の変更によって、すでに活動しているチームでも前提を確認し直す必要が生じます。
発言が少ない理由も、情報不足、権限への遠慮、単なる準備不足などに分けて調べます。
モデルの名称だけで個人の態度を判断する使い方は避けます。
意見の違いが現れた状態は混乱期、進め方の合意が育つ状態は規範形成期で扱います。

参考資料