顧客が困る場所は、一つの画面の中だけとは限りません。
ジャーニーマップは、特定の人がある目的を達成するまでの行動、考え、感情、接点を時系列に整理する図です。
Nielsen Norman Groupの解説は、主体と状況、段階、行動と感情、改善の機会を構成要素として示しています。
見た目を整える前に、誰の何の経験を描くかを決めます。

一人の目的と範囲を選ぶ

たとえば、研修の参加者が申込みから受講後の実践までに何を経験するかを考えます。
募集を知る、上司へ相談する、申し込む、案内を読む、受講する、職場で試すという流れがあります。
運営側の作業順だけを並べると、上司の承認や業務の調整など、参加者の活動が抜けます。
参加者が使う他社の道具や、対面のやり取りも含めます。

現状を描く図と、改善後の理想を描く図は区別します。
現状図には、聞き取りや観察で確認した情報と、チームの推測を分けて載せます。
同じ参加者でも、初めての受講と継続受講で流れが違うなら、無理に一つへ統合しないようにします。

行動と感情の根拠を残す

参加者が申込後に問い合わせたなら、何がわからず、どこを探したかを調べます。
「不安だった」と図へ書く場合は、本人の発言や、その根拠となる記録へつなげます。
担当者の想像で滑らかな感情曲線を描いても、顧客を理解した証拠にはなりません。
行動、発言、解釈をたどれる状態にします。

段階ごとに接点と問題を並べると、部署をまたぐ改善を見つけられます。
案内メールを改善しても、承認に必要な情報が募集ページにないなら、申込前の負担は減りません。
問題が起きた場所と、直すべき場所は別の場合があります。

改善の判断へ使う

図を作ったら、解く問題、対象者への影響、担当する人、次に確かめる仮説を選びます。
すべての段階を一度に直す必要はありません。
受講前の準備が課題なら、案内の試作を対象者に使ってもらい、必要な準備ができるかを確認します。
実施後は図と根拠を更新し、古い仮説を残したまま使わないようにします。

ジャーニーマップは平均的な架空の体験を作るための図ではありません。
共通点と例外の条件を残して、どこまで当てはまるかを示します。
調査はデプスインタビュー、対象像はペルソナ、関連する既存記事はカスタマージャーニーマップを参照してください。

参考資料