研究によって新しい材料や処理方法ができると、それを生かせる製品を探索する場合があります。
技術主導(Technology-driven)は、技術上の能力や新しい可能性を出発点に、製品や製品戦略を考える進め方です。
顧客の課題を出発点にする場合とは、探索を始める位置が異なります。

技術の特徴を顧客の便益へつなぐ

仮に、従来より薄く曲げられるセンサーが開発されたとします。
「薄い」という特徴だけでは、どの顧客が購入するかは決まりません。
貼る場所に制約がある設備、狭い部分の測定、交換作業の手間など、特徴が役立つ状況を探します。

用途ごとに、必要な精度、耐久性、取り付け費用が違います。
実験室で得られた性能が、その条件でも維持できるかを確かめます。
技術の実証と、顧客にとって使える製品の実証を分けることで、次に解く疑問を選べます。

用途の候補を比較する

最初に思いついた用途へすべてを投資する前に、候補を複数並べます。
それぞれについて、顧客の困りごと、既存の代替手段、導入条件、追加開発の大きさを調べます。
技術の優位性が最も大きい場所と、顧客が導入しやすい場所が一致するとは限りません。

センサーの例なら、性能への要求が厳しい用途より、設置のしやすさで価値を出せる用途から試す判断も考えられます。
どの前提が変わると候補の評価が変わるかを残し、試験や対話の結果で順番を見直します。

顧客理解を後回しにしない

技術主導は、顧客に聞かずに完成品を作るという意味ではありません。
顧客との対話から用途や要求を変え、技術上の試験から提供可能な価値を変えるという往復が必要です。
また、性能の改善だけでなく、保守、供給、価格を含む事業モデルも確かめます。

用途の説明をそろえるにはコンセプトステートメント、技術上の疑問を早く調べるにはラピッドプロトタイピングが役立ちます。

参考資料