「問い合わせの内容を自動で分類できないか」という短い着想から、製品開発が始まることがあります。
アイデアは、問題を解く方法についての初期の着想です。
PDMAの用語集では、製品やサービスの最も初期の形として位置づけられています。

思いつきに背景を添える

仮の例として、建物管理会社の問い合わせ分類を考えます。
「文章を分類する機能」だけでは、なぜ必要なのか、どこまで自動化したいかがわかりません。
夜間の問い合わせを翌朝に部署へ振り分ける作業で、同じ連絡が何度も転送されるという背景を添えます。
その情報があれば、文章の自動分類に加えて、受付項目を変える、担当表を更新する、といった別の案も検討できます。

記録には、きっかけとなった事実、対象者、期待する変化、わからないことを残します。
発案者や日付も、質問先を探すために役立ちます。
ただし、発案者の肩書きや自信の強さを、案の有効性の根拠にしないようにします。
一行の着想と調査済みの提案を、同じ確かさで扱わないことも必要です。

具体化する前に確かめる

問い合わせの例なら、まず転送が起こる頻度、誤って送られる理由、現在の判断基準を調べます。
分類のルールが整理されていない場合には、機能の開発前に担当範囲の調整が必要かもしれません。
技術で分類できるかと、正しい担当へ届くかは、別の検証です。
初期段階では、担当者が手作業で分類してみる方法でも、判断に必要な情報を得られます。

顧客、提供方法、便益、成立条件が説明できる状態になれば、コンセプトとして比較しやすくなります。
その段階へ進めない案は、すぐ廃棄する以外に、情報待ちとして保管する選択もあります。
保管するなら、どの条件が変わると再検討するかを記します。
案を集める箱だけを作っても、判断や返答がなければ蓄積が増えるだけになります。
調べる案と調べない案を決める担当者と、記録を見直す機会を用意します。

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