決めた手順を守ったかを聞くだけでは、実際の仕事が基準を満たしたかはわかりません。
監査(Audit)は、記録や観察などの証拠を集め、定めた基準への適合を客観的に評価する、体系的な活動です。
製品開発では、品質の仕組み、設計変更、意思決定の記録などが対象になります。

基準と対象を先に決める

たとえば、設計変更が試験と製造へ正しく反映されているかを調べるとします。
対象の製品と期間、必要な承認、変更記録の条件を明確にします。
担当者の説明だけでなく、図面の版、試験結果、製造への通知を対応させて確認します。
一つの記録があることと、関連する仕事が実施されたことは区別します。

証拠から所見を作る

確認した事実、適用する基準、その間の差を示します。
たとえば、ある変更の承認はあるが、その版へ必要な追加試験が見つからない場合、何を調べ、何が不足したかを記録します。
担当者の意欲や能力について、証拠のない評価を付け加えないようにします。
対象外の期間や、調べていない案件まで同じ状態だとは断定できません。

監査には、評価の客観性を保つ独立性と、対象を理解する力量が必要です。
内部監査だから、自分の作業を自分で承認してよいとは限りません。
必要な役割分担は、組織の基準に沿って整えます。

指摘後の変更を確かめる

不足が見つかったら、個別の記録を直す仕事と、同じ問題が繰り返される条件を変える仕事を分けます。
例の試験記録なら、保存漏れなのか、変更時の確認手順そのものに不足があるのかを調べます。
対応の担当と期限を決め、変更が実行され、問題を減らしたかを追って確認します。

検査やレビューとの関係

製品の性能を直接測る検査と、仕事の仕組みや基準への適合を評価する監査では、対象が異なります。
開発のレビューも、投資の継続など別の判断を目的とする場合があります。
何を結論にできるかを区別し、チェックリストを使っても、項目を埋めることだけを目的にしないようにします。
仕組み全体の改善はプロセスオーナーとも関わります。

参考資料