IDOVは、Identify、Design、Optimize、Verifyの4段階で設計を進めるロードマップです。
シックスシグマ設計の手法の一つで、要求を把握し、設計し、性能を最適化して、要求を満たすかを確かめます。
ここではASQの教材に従い、最後のVをVerifyとしています。
組織の資料で異なる名称を使う場合は、略語だけでなく、その段階で求める判断や検証内容を確認する必要があります。

要求と設計を結び付ける

仮に、清掃しやすい業務用調理器具を設計するとします。
Identifyでは、利用者の作業を観察し、清掃にかかる時間、汚れが残る箇所、取り外しの負担などを把握します。
顧客の言葉をそのまま仕様にせず、清掃時間や洗浄後の状態など、確認できる要求へ変換します。

Designでは、その要求を満たす構造や材料、部品の組み合わせを検討します。
部品点数を減らす、工具なしで分解できるようにする、汚れがたまる隙間をなくすといった案が考えられます。
ただし、清掃だけを優先すると、強度や安全性、価格との両立が難しくなる場合があります。
設計案は複数の要求を合わせて比較します。

最良条件と安定した性能を分ける

Optimizeでは、選んだ構造の寸法や材料などを調整し、性能のバランスを改善します。
一つの試作品が理想的な条件で良い結果を出すことと、製造のばらつきや使用環境の違いに耐えることは同じではありません。

部品の寸法に幅があっても組み立てられるか、洗浄を繰り返しても機能が保てるかなどを検討します。
必要に応じて実験を行い、性能に大きく影響する条件を特定します。
費用を下げるために許容範囲を広げるなら、品質への影響も確認します。

Verifyでは、決めた要求と試験条件に照らして、設計が成立しているかを確かめます。
試験に合格したという記録だけでなく、使った試料、環境、測定方法、残る制約を明らかにします。
実際の利用者が想定と異なる手順を取る場合には、操作の観察も設計を見直す材料になります。

段階を戻る判断も含める

IDOVは、4つの段階を一度ずつ通れば完成するという保証ではありません。
検証で要求を満たさなければ、調整で解決できるのか、構造の変更が必要なのか、要求の理解が誤っていたのかを切り分けます。

既存工程の原因を取り除くDMAICとは出発点が異なります。
新しい設計について、何を要求し、どの条件で成立するかを説明するための枠組みとして使います。

参考資料