顧客をすべて一つにまとめると、価格や機能への異なる要求を平均してしまいます。
市場セグメンテーションは、市場を共通するニーズや行動、条件を持つ顧客群へ分ける活動です。
BDCの整理は、地理、人口統計、行動、心理などの分け方を示しています。
分ける目的は、顧客群ごとに製品と販売の判断を変えることです。

判断が変わる分け方を選ぶ

たとえば、勤怠サービスの市場を会社規模で分けるとします。
同じ小規模企業でも、固定時間で働く事務所と、交代勤務の店舗では必要な条件が違います。
承認の複雑さ、勤務場所、既存システムとの連携など、製品を選ぶ理由に関わる軸を調べます。
数えやすい属性だけで分類を確定しないようにします。

良い分け方かは、群の中で要求が似ているか、群の間で対応を変える意味があるかで考えます。
営業先を探せることと、規模を見積もれることも必要です。
細かく分けすぎて候補を見つけられなければ、調査と販売へ使いにくくなります。

仮の分類を実態と照合する

最初は聞き取りと既存データから仮の群を置けます。
各群の直近の購入、利用、見送りを調べ、想定した違いがあるかを確かめます。
営業担当者の印象と、利用者の行動が食い違う場合は、その理由を調べます。
売上の大きい顧客だけを見て、全市場の分類にしないようにします。

勤怠の例で、交代勤務の群に強い需要があっても、勤務表を作る機能を必要としない企業もあるかもしれません。
例外を無理に群へ押し込めず、分類の軸を更新します。
同じ企業でも、拠点によって条件が異なる場合は、企業と利用単位を分けて扱います。

選ぶことと分けること

市場を分けても、すべての群へ提供する必要はありません。
群ごとの問題、購入の対価、自社の能力、到達する費用を比べ、最初の対象を選びます。
対象を決めると、提供しない条件も明確になります。
分類を作ること自体で作業を終えないようにします。

また、人口統計的な属性から性格や希望を決めつけないようにします。
同じ年齢と所得でも、購入の状況は違うためです。
分類と根拠を更新し、各群の変化を追います。
既存の解説はセグメンテーション、対象の選択は標的市場、価値の提示は価値提案を参照してください。

参考資料