チームの信念体系を理解する

対象読者は

  • アイデア段階のチーム
  • 製品リリース前のチーム
  • 製品リリース後のチーム

前提条件

唯一の前提条件は、事前に作成済みのリーンキャンバスを用意することです。私はこのステップをできるだけスムーズに進められるよう、チームに対して明確に次の指示を与えています:

  • リーンキャンバスの作成に20分以上かけないこと
  • キャンバスを埋めるための追加の読書や事前準備は一切行わないこと
  • 理解できない項目はスキップすること

成果

30~45分のコーチングセッションを通じて、チームがビジネスモデルに最も大きな影響を与える主要なアクションに集中できるよう導きます。

手順

以下は私がリーンキャンバスの診断で使用する7段階のメタスクリプトです:

Image from Gyazo

本記事では「背景」について解説します。その他の項目については後続の記事で順次取り上げていきます。

1. 背景

セッションの冒頭では、チームとそのビジネスモデルの現状把握を行うため、最初の5分間でリーンキャンバスに沿って説明するよう指示します。

キャンバスの内容をただ読み上げてもらうのはダメです。チームが話すよりも、私が読むほうが速いからです。したがって、以下のようなポイントに焦点を当てるよう指示します:

  • アイデアの起源
  • これまでの進捗状況
  • 夜も眠れないほど悩んでいる課題

チームメンバーはリーンキャンバスに書かれていない多くの事柄についても言及します。そのため、「リーンキャンバス」と「5分間の概要説明」が、プロジェクトの現状把握において最も効率的かつ効果的な手法であると私は考えています。

彼らが話している間、診断用のメンタルモデルを作るために、いくつかの確認質問をします。

最初に取り組むべきは、チームの信念体系です。

メンタルモデル1:チームの信念体系

私たちが把握していることは、自身の信念体系の上に成り立っています。

ビジネスモデルの物語は、前提条件や信念が積み重なって構築されています。これらの信念は、チームの思考方法(マインドセットや世界観)やリスクの優先順位付けを決定します。信念が脆弱であれば、ビジネスモデル全体が崩壊する危険性があります。したがって、信念体系から分析を始めることが非常に重要です。

チームの信念体系を明らかにする最も効果的な方法は、彼らのアイデアの起源、これまでの進捗状況、現在彼らを悩ませている課題を詳細に分析することです。

アイデアの起源

私がよく目にする3種類のアイデアの起源を紹介します:

  1. ソリューション重視型:新たな発明(や技術)を活用して、課題を解決したいという思いからアイデアが生まれます。
  2. 収益重視型:追求する価値のある市場機会、つまり「収益を上げる」ことを目的としてアイデアが生まれます。
  3. 圧倒的な優位性重視型:社内の発明を商業化したり、自社のチャネルなどの優位性を活用してビジネスモデルを構築したいという目的からアイデアが生まれます。

なお、アイデアの起源(あるいはリーンキャンバスの「ボックス」)に良し悪しはないことを強調しておきます。

優れたアイデアはどこからでも生まれます:

  1. 自身の課題
  2. R&Dや発明
  3. 類似事例
  4. 偶然の発見
  5. 顧客からの要望
  6. 外部環境の変化
  7. 成長戦略に基づく指示
  8. 圧倒的な優位性の活用
  9. イノベーション理論

アイデアがどこから生まれたかよりも、チームの信念体系の強さを理解することのほうが重要です。そのためにチームには「自分たちがどのように知識を得ているか」を共有してもらいます。そして、得られた情報を以下の3つのカテゴリーに分類します。

  1. 思いつき(直感)
  2. 物語的証拠(観察)
  3. 実証的証拠(事実)

これまでの進捗状況

次に、アイデアを推進するために実際に行なった取り組みに注目します。

  • アイデアを検証するために「製品構築優先」「投資家優先」「顧客優先」のどのアプローチを採用したか?
  • トラクションはあるか?もしあるなら、どのようなトラクションか?(関心の高まり、無償パイロット版の利用、有償パイロット版の導入、幸せな顧客の存在)
  • 次の方向性は?具体的には、次の90日間の目標は何か?

夜も眠れないほど悩んでいる課題

パズルの最後のピースは、チームが90日間の目標達成を妨げている最もリスクの高い前提条件や障害についてどのように考えているかを理解することです。

最初の5~10分間は、コーチングでななく、積極的に傾聴します。

まず理解に徹し、そして理解される
―スティーブン・コヴィー

私はチームの思考プロセスを理解するように努めています。これは、必要に応じてセッション後半でマインドセットの変革を図るために非常に重要な要素です。