TOC:合意形成のステップ(抵抗のN階層)
TOCのゴールドラットが「抵抗の6階層」を提唱していました。娘の Efrat Goldratt Ashlag がそれを9階層に拡張して、「何を」「何に」「どうやって」の3つの質問にそれぞれ対応させました。これらをうまく扱うことができれば、合意形成まで至るはずです。
何を(problem)
- 問題はまったく存在しない
- 問題はそれではない
- 問題が大きすぎて扱えない
▶対策:
- 状況や背景を把握して伝える。
- 傾聴。観察。
- 人間関係やキーパーソンを把握する。
- システムシンキング or 因果関係図の使用。
- 本当のイシューを見つける(漏れはないか?)。
- 問題バックログを作成する(優先順位をつける)。
何に(solution)
- そのソリューションの方向性は無理である
- そのソリューションの大筋は賛成だが、詳細は反対である
- そのソリューションにはマイナス面(悪影響)がある
▶対策:
- 魅力的なソリューションが出るように質問する
- 効果的なブレインストーミング(what if…?)
- 衝突は当たり前。そこから新しいソリューションが生まれる。
- ありきたりなソリューションに終わらない。
- シナリオで未来を考えてみる。
どうやって(implementation)
- そのやり方は無理である
- そのやり方に大筋は賛成だが、詳細は反対である
- そのやり方にはマイナス面(リスク)がある
最後の壁(常に存在する壁)
- なんかイヤだ(感情)
▶対策:
- HRTの原則
- 根回し
- 傾聴
- 行動心理学
- その人のタイプを把握する
- やらされている感があってはダメ → 自分でやっている感を作り出す
参考文献
- The Layers of Resistance – The Buy-In Process According to TOC by Efrat Goldratt-Ashlag

角征典(かど まさのり)@kdmsnr
ワイクル株式会社 代表取締役、 東京工業大学環境・社会理工学院 特任講師。
アジャイル開発とリーンスタートアップの手法を用いた開発組織のコンサルティングに従事。 支援先は、情報通信業、製造業、卸売業、金融業、不動産業、飲食店、小売業、広告業、教育・学習支援業など多数。 大学では、起業家育成プログラムにおいてデザイン思考およびエンジニアリングデザインプロジェクトの講義を担当。
また、翻訳者として、アジャイル開発、リーンスタートアップ、組織変革、チームビルディング、プログラミングに関する書籍の翻訳を数多く手がけている。なかでも『リーダブルコード』(オライリー・ジャパン)は、2015年時点で累計発行部数5万部を突破している。
以下の分野について、何かお困りのことがありましたら、お気軽にお声がけください。
- アジャイル開発/現場改善
- リーンスタートアップ/新規事業
- チームづくり/組織変革
専門書を数多く出版しており、導入実績も多数あります。